CodeIgniter ユーザガイド 日本語版 Version 1.7.3


Zip圧縮クラス

CodeIgniter のZip圧縮クラスを使うと、Zipアーカイブが作成できます。アーカイブは、デスクトップにダウンロードさせたり、ディレクトに保存したりできます。

クラスの初期化

CodeIgniterの大部分のクラスと同様に、Zip クラスはコントローラの中で $this->load->library メソッドを使って初期化できます:

$this->load->library('zip');

いったん読み込まれれば、Zipライブラリのオブジェクトは次のようにして利用できます: $this->zip

使用例

以下は、ファイルを圧縮し、サーバ上のフォルダに保存し、デスクトップにダウンロードさせる方法を示した例です。

$name = 'mydata1.txt';
$data = 'A Data String!';

$this->zip->add_data($name, $data);

// Zipファイルをサーバのフォルダに書き込みます。"my_backup.zip" という名前にします。
$this->zip->archive('/path/to/directory/my_backup.zip');

// "my_backup.zip"という名前で、デスクトップにファイルをダウンロードします。
$this->zip->download('my_backup.zip');

メソッドリファレンス

$this->zip->add_data()

Zip アーカイブにデータを追加できます。第1引数は、ファイルに付けたい名前を指定し、第2引数には、ファイルのデータを文字列で指定します:

$name = 'my_bio.txt';
$data = 'I was born in an elevator...';

$this->zip->add_data($name, $data);

アーカイブに複数のファイルを追加するために複数回呼び出すこともできます。例:

$name = 'mydata1.txt';
$data = 'A Data String!';
$this->zip->add_data($name, $data);

$name = 'mydata2.txt';
$data = 'Another Data String!';
$this->zip->add_data($name, $data);

あるいは、複数ファイルを配列として渡すこともできます:

$data = array(
                'mydata1.txt' => 'A Data String!',
                'mydata2.txt' => 'Another Data String!'
            );

$this->zip->add_data($data);

$this->zip->download('my_backup.zip');

圧縮データをサブフォルダの中に配置したい場合は、下記のようにファイル名の一部にパスを含めてください:

$name = 'personal/my_bio.txt';
$data = 'I was born in an elevator...';

$this->zip->add_data($name, $data);

上の例では、 personal というフォルダの中に my_bio.txt が配置されます。

$this->zip->add_dir()

ディレクトリを追加できます。$this->zip->add_data() を使った時にデータをフォルダに追加できるので、通常はこのメソッドは必要ないですが、空のフォルダを作成したい場合は、そうすることもできます。例:

$this->zip->add_dir('myfolder'); // "myfolder"というフォルダを作成します

$this->zip->read_file()

サーバ上のどこかに、すでにあるファイルを圧縮できます。ファイルのパスを指定するとZipクラスはそれを読み取ってアーカイブに追加します:

$path = '/path/to/photo.jpg';

$this->zip->read_file($path);

// "my_backup.zip"という名前でデスクトップにダウンロードさせます。
$this->zip->download('my_backup.zip');

Zip アーカイブで、そのファイルが含まれるディレクトリ構造を維持したい場合は、第2引数に TRUE (ブール値) を指定します。例:

$path = '/path/to/photo.jpg';

$this->zip->read_file($path, TRUE);

// "my_backup.zip"という名前でデスクトップにダウンロードさせます。
$this->zip->download('my_backup.zip');

上の例では、photo.jpg が次の2つのフォルダの配下に置かれます。: path/to/

$this->zip->read_dir()

サーバ上に既に存在しているフォルダ (およびその中身) を圧縮できます。ディレクトまでのパスを指定すると、Zipクラスは、再帰的にそのフォルダを読み込み、Zipファイルとして再作成します。指定されたパスに含まれるサブフォルダの配下にあるものも含めてすべてのファイルが圧縮されます。例:

$path = '/path/to/your/directory/';

$this->zip->read_dir($path);

// "my_backup.zip"という名前でデスクトップにダウンロードさせます。
$this->zip->download('my_backup.zip');

$this->zip->archive()

Zip圧縮ファイルをサーバ上のディレクトリに書き込みます。ファイル名で終わる正しいサーバのパスを渡します。ディレクトリが書き込み可能 (666 か 777 であれば通常は大丈夫です) かどうかを確かめてください。例:

$this->zip->archive('/path/to/folder/myarchive.zip'); // myarchive.zip という名前のファイルを作成します。

$this->zip->download()

サーバから Zipファイルをダウンロードさせます。このメソッドは、Zipファイルにつけたい名前を指定する必要があります。例:

$this->zip->download('latest_stuff.zip'); // "latest_stuff.zip" という名前になります。

Note:  このメソッドを使用するときは、ダウンロードさせ、バイナリとしてデータを取り扱わせるための様々なヘッダを送信する必要があるので、コントローラでどんなデータも表示させないで下さい。

$this->zip->get_zip()

Zip圧縮データを返します。データを使って何か特別な事をしない限りは、通常はこのメソッドは必要ではありません。例:

$name = 'my_bio.txt';
$data = 'I was born in an elevator...';

$this->zip->add_data($name, $data);

$zip_file = $this->zip->get_zip();

$this->zip->clear_data()

Zip クラスは、上のメソッドを使うたびにZipアーカイブを再圧縮しなくて済むように、Zipデータをキャッシュします。しかし、それぞれ異なるデータの複数のZipを作成する場合、それらのメソッドを呼び出す間で、キャッシュをクリアすることができます。例:

$name = 'my_bio.txt';
$data = 'I was born in an elevator...';

$this->zip->add_data($name, $data);
$zip_file = $this->zip->get_zip();

$this->zip->clear_data();

$name = 'photo.jpg';
$this->zip->read_file("/path/to/photo.jpg"); // ファイルを読み込みます


$this->zip->download('myphotos.zip');